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カスのニュース・届かない郵便物・突然の寒さなどによって完全に最悪になってしまったため、セラピー日記を行います。
〜私の愛する美しい人々〜
坂東正勝さん
突然誰も知らない名前が出てきました。これは三谷幸喜の舞台「ヴァンプショウ」の登場人物ですね。
彼のすごいところはやはり「既に諦めている」というところで、彼は吸血鬼になってしまった自分たちのことを一番よくわかっていて、みんなで楽しく過ごしている中でも「終わり」を理解しているんだと思うんですね。
5人で楽しく生きていくという願いが人間の血を吸うという行為の上に成り立っていることの意味も全部わかっているし、一番最初に吸血鬼になった人間でありながら一番人間としての理性を残しているなと感じます。あまり考えていないように見えて、終盤に自ら仲間と共に十字架の杭に打たれることを望むのが、苦しくて美しいなと感じます。
しかし実は彼の行動原理は美しいというよりも「善」なんですよね。私はその姿を見て美しいと思っているだけなので、大丈夫です。
新堂平吉さん
もう冬になりますのでそろそろホテルアバンティの副支配人新堂平吉さんの話をさせていただきたいと思います。
新堂平吉さんのなにに惹かれているかと問われると結局は人間らしさで、しかしそれは副支配人としての佇まいの美しさが前提にあるからこそなのかもしれません。前半の全ての仕事をそつなく完璧にこなしていく姿が結局は好きなので、しかしそれだけではここまで惹かれてはいなかったと思います。彼の欲が本当にささやかなものであるということと、演劇の舞台監督という徹底した裏方の仕事、全てが通底していると感じます。
和久井晃さん
彼は三谷幸喜のシットコム「HR」の登場人物ですが、彼には本当に私の愛する美しいものが全て詰まっているのではないかと思います。仕事をしながら定時制の高校に通っており、めちゃくちゃなクラスで唯一の常識人という説明が、全てですね。
その上少し話が進むと彼が大卒にコンプレックスを持っているために高校に通っていること、仕事の現場では学歴によって役職が定められてしまうこと、そうした苦しい現実がシットコムという楽しく愉快な作品の内側から少しずつ見えてくることに驚きます。
その上で彼自身が最後に優先するのは友情であるということ、何もかもが完璧に描かれすぎていて怖いです。和久井さんが美しいということに加えて、この一連の流れ全てが美しいと感じます。
如月千早さん
田口公平さん(小説)
久しぶりにチームバチスタシリーズの田口公平さん(小説)のことを思い出しているが、この人は美しいというべきなのかよくわからない。だだこの人は物語の狂言回しという立場を担った主人公として自分が最も魅力を感じていた人物だなと思います。(小説)というのは、映画にもドラマにもなっているが小説の人間性がそのまま再現されている媒体は一個もないのでこのように記載しています。よくわかりますね。
田口公平さんの美しさの背後にあるのは明かされていないある一つの過去であると確信しているのですが、この作家はその話を永遠にしてくれません。助けてください。あとこの人が語り手の作品がほとんどであるせいで外見などの情報が非常に少ないのも、助けてほしいです。
美しい人々の話をするのは楽しいですね。