2022.1.26「日常が続く人々のセリフ」

新選組!9話を見た。これ今一番熱い展開の時?!

近藤勇が百姓の出であることを理由に公務をドタキャンされた時(この説明でいいのか?)、公側の家来だった佐々木只三郎に「お前は武士ではない」と言わせるところが、めちゃくちゃ三谷幸喜〜〜〜と思った。
佐々木は出自を理由に近藤勇を足蹴にしようとしている上司を咎める側にはあるんだけど、それに抵抗する近藤勇に対しては「諦めろ」と言うんですよね.....。

三谷幸喜はこういうどうしようもない現実に対して非常にシビアに描く時があるというか、確かにここで公側の人間が励ましたり加勢してやるなんてことはドラマではあっても現実には起こり得ない。佐々木のその諦めろという言葉にも、「これ以上無駄に傷つくな」という助言の意味もあって......

三谷作品は嘘みたいに綺麗な伏線回収をするイメージを抱かれがちだと思うけど、私はこういう厳しい台詞の中にこそ三谷幸喜を感じる。彼らの日常はこの場面で終わりじゃないので、不利益になることはきっちり避けていく。
そう、「職場の不利益になることは避けなければならない(By新堂平吉)」.........

それはそれとしていよいよ浪士組が結成される流れになり、興奮が止まらない。
集まってきた行き場のない男たちがついに「仲間」となる、一番最高の流れ。これを呼び寄せているのが山南さんというのもめちゃくちゃアツい。
あ〜〜〜〜頼む、新選組!勝ってくれませんか? なんとか歴史の流れを捻じ曲げて.......

近藤勇の妻や母の感じもかなりいい。母の感じからして嫁姑戦争になってしまうのかと思いきや実は逃げるのは母という、その人間の描き方、愛おしく感じられ方のバランス〜〜〜〜〜〜。客席の反応を直に見てきた人間のそれだなと思う。