瞳をとじて、ほか

2月が一瞬で終わった。なぜなら一つの作品に関する調査研究とヴァイオリンとチェロを弾き続けていたため……

 

・やっと諸々落ち着いた(ここからまた落ち着かなくなるが)ので、ずっと観たかったヴィクトル・エリセの『瞳をとじて』を観に行った。

3時間はかなり長かったので途中意識がもうろうとしてしまったが、良かった。『ミツバチのささやき』もそうだけど、この監督の作品に対して自分がはっきりと言える感想というものはあまりなくて、ただ観ていて良い作品であり、自分が好きな作品であるということがわかる。

映画の中に映画を作る人が出てきたり映画を観る映像が出て来るだけで感動を覚えてしまうので、そういう意味でも良かったし、スペインの空気や乾燥したヨーロッパの建物の手触りのようなものが、『ミツバチのささやき』と共通しているように感じられた。あと音楽がとてもいい。

 

パンフレットを買ったら色々な人が色々な事を書いていたが、別に今は読みたくなったので結局監督の文章だけ読んだ。私がパンフレットで読みたい言葉って批評家や有名人の対談とかではなく、作り手のインタビューだけなんだけど、そんなことないのか。監督の言葉はとても良かった。『エル・スール』も観てみたい。

 

ミツバチのささやき』を知ったきっかけはクラフト・エヴィング商會の『アナ・トレントの鞄』という本だった。その後で好きなチェリストが『ミツバチのささやき』を好きだということを知ったことで作品の輪郭が浮かび上がり、たしかツタヤで借りて観た。

その時はなんだか暗くて何が起きているのかよくわからないという印象だった覚えがある。ただアナ・トレントの瞳だけが強く印象に残っていた。

その後名画座に『ミツバチのささやき』がかかっているのを知り、観に行くとかなり多くの人がいて、この作品が当時とても評判になったらしいということを知った。そこで観た時も途中意識がもうろうとしてしまった気がするけど、レンタルで観た時よりも好きな作品になっていた。

 

瞳をとじて』でこの監督の作品がやはり好きだと感じたので『ミツバチのささやき』ももう一度観たい。でも2月を忙しくしていたら、名画座での上映が終わってしまった。映画館で観たい。

瞳をとじて』も本当はもう一度観たいが、朝9時からやっている劇場しかなくて、難しそうだ。朝9時から3時間映画を集中して観るのは難しい。

 

 

・梨木果歩の『エストニア紀行』を読み終えた。数年積読していたのをようやく。今その土地がどうなっているのかということばかり考えてしまった。

最近の自分は小説よりもエッセイが好きな傾向にあることを再確認した。でもエッセイといっても日記のようなものはあまり読みたくなく、こういう旅行記が一番良い。

瞳をとじて』を観たらスペインの小説が読みたくなった。スペインの海の映像を見てバスクの作家キルメン・ウリベの『ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ』を思い出していた。

 

 

ICC坂本龍一の展示を観に行った。だいぶ前。ICCは良い。

ダムタイプのTIMEを観たいと思っているが……高い!の気持ちでいる間にチケットがなくなりそう。舞台だからそんなものなんだけど、自分にとってダムタイプはやっぱり古橋悌二の作品という印象が強いので、彼のいない場所で作られるダムタイプの作品を観てどう感じるのかわからない。といっても私は当時を知っているわけではないが……。

S/Nを映像で初めて観た時の衝撃が忘れられず、しかし映像は上映会などでしか見ることができないので、5年くらい前にICCの上映会を観に行った。京都にいたときの方が色んなチャンスがあったので、その時に行っておけばよかったと思う。

主催者がもういない劇団というと『悪魔のしるし』もそうで、主催の危口さんが亡くなってしまった時にかなりショックだった。

https://www.akumanoshirushi.com/

今でも搬入プロジェクトはやっているようだし、観に行ってみたい。危口さんがお父さんと一緒に出演していた『わが父、ジャコメッティ』のことがずっと忘れられない。

 

次にどの積読を崩そうか考えていたが、ダムタイプの古橋さんのインタビュー集にしようか。

 

近況2024.2

DPZのはげます会に入ったら、備品を持って帰る会という謎の企画が始まったので、勢いで行ってきた。数週間前の話です。

 

f:id:otituku:20240213234623j:image

 

誰も見たことのないキャラクターがついているネックファン。しかも先が光る。手元を照らすための照明らしいが、正直ネックファンに照明の機能を一切求めていないし、人の方を向くと思い切り光が当たるので迷惑すぎる。なんだこれは。

そして本当にこのキャラクターは何なんだ。これを買った理由も聞いた気がするが全く分からない。DPZはなぜこれを買ったのか。

あとは大北さんの昔の作品の入ったCD-ROMとか、カレンダーとか、謎のフィギュアとか、猫のぬいぐるみとか、提灯型のカプセルの中に入った寿司の指輪とかをもらった。どうすれば…。

全部に逐一林さんが説明してくださってとても面白かったが、下手をするとこれらの巨大な備品を持って帰ることになるという恐怖と隣り合わせだった。本当に部屋が終わっているのでこれ以上巨大なものを増やせない。同じ時間にいた人は巨大な座椅子を持って帰っていた。

 

②オケに乗っている関係で自分の好きなキャラクターのソロ曲の楽譜を2日で譜読みすることになり、本当にめちゃくちゃになった。

やっぱり自分の思い入れの強い(しかも音楽特化のキャラクターの)曲を弾くなんて、思想と思い入れと感情が強すぎてかなりはた迷惑な人間になるので、やめた方が良い!!!!!!と思った。でも仕方ないですよね。そこに合奏があったんだから。やるしかない。

何ひとつ満足できる完成度には至らず虚無になっているが、こんなスケジュールでやった時点で凄すぎるので凄いと思っていきたい。連休で練習しすぎて布団に入ってからも腕の筋肉がけいれんしていたし、壁を見れば楽譜の残像が映るし、永遠に曲が耳鳴りしている。助けてほしい。憑りつかれている。

カラオケで原曲を爆音で流しながらヴァイオリンを弾きまくって泣きたい。それが一番やりたい。今すぐに。

でも明日からまたチェロを弾いて全然別の合奏をするので、社会性を取り戻さないといけない。合奏をしている時の自分の人格って完全に「合奏のための人格」なので、スイッチを入れるとめちゃくちゃ体力を消耗する。

 

③美容院の待ち時間で積読していたタブッキの逆さまゲームを読み切った。多分全ての意味をわかっていない気がする。

その後SideMの待ち時間で吉田篤弘の新刊を読んだ。すごい速さで読んでしまった後で後書きに声に出すようにゆっくり読んでほしい本と書かれてあり申し訳なくなった。

吉田篤弘の代官山蔦屋書店のイベントに行く。以前行ったのはコロナ前か。最近全然読めていないけど、中学生の時に出会ってから読み続けている作家なので、自分の現在地を確かめる気持ちで読み続けている。

本を読みたい気持ちがある。最近調査のための速読しかしてないので……。職場の先輩が10年くらいかけて失われた時を求めてを読んでいるという話を聞いてからずっと読みたい。いろんな人のおすすめの本を知る機会があったのでそれも読みたい。

失われた時を求めてを読み続けている人が先輩にいる職場ってかなり大事にした方が良い。世界がどれほどひどくなっても紡がれてきた糸が切れることはないと信じられる。

 

 

2024.1.3「年末年始とPERFECT DAYS」

年末に友達の家でアイドルマスターにじさんじのライブを見まくった。そんなことがあるのか。

もともと765ASのことが好きな友達だったので、合同ライブを見るのが楽しかった。SideMのライブも見てもらえて良かった。全然SideMを知らない友達も歌セムムンナイにはしっかり落ちてくれたので、曲の訴求力の強さを感じた。

しかし友達の家に行くというのは久しぶりすぎて、かなり疲れてしまった。慣れない。どんなに友達でも自分は24時間以上一人になれる時間が取れないとだいぶ無理になるということがわかった。仕方ないね。

 

元旦の夜に東京に戻る新幹線を取っていたのだが、帰省中の祖母の家で地震があり、大騒ぎになった。そんなに揺れた地域ではなかったけど、元旦にみんなで家に集まっている時にいきなり震度7と言われて大津波警報と言われたらそれは大騒ぎになる。

新幹線がどうなるか不安だったが、結局10分遅れ程度で通常通りに運航していた。それも凄い。

 

帰ってきてから昨日と今日で部屋を掃除していた。でかいニュースがあるとインターネットばかり見てしまって良くない。

 

 

 

今日はPERFECT DAYSを見た。これは二回目です。

役所広司さん大好き監督による役所広司さん大好き映画という感想で、2回見てもそれは同じだった。私も役所広司さん大好き人間なので、最高でした。こんなに出ずっぱりな作品もなかなかないし、ここまで彼の表情をとらえ続けている作品もなかなかない。「すばらしき世界」もかなりそうだったけど、それ以上だった。

作品の中の男がその状況や生活環境からどうしても「すばらしき世界」と比べて眺めてしまうが、日本社会の描き方はかなり対照的だと思う。

PERFECT DAYSの中の日本はかなりファンタジーな印象で、海外の人間から見た日本とイメージというのが色濃く出ているなと思った。浅草の映像とか、影の話とか。役所さん以外の役者の演技が独特に感じることが多くて、ジャームッシュのミステリー・トレインを見ている時のような不思議な感覚があった。

作品全体を外側から眺めると、これを「つつましい生活のなかの幸せ」みたいな文脈で語られるとなんだあ?という気持ちになるし、もしそれが作品に意図されているのであれば手放しで楽しめない部分はある。カセットテープを聴いているところとかもう「良さ」に振り切りすぎていてやりすぎ!!!!!!と思うし、トイレやスカイツリーと一緒に人力車が登場する感じは五輪前後の最悪トラウマ記憶が刺激されてしまった。

でも役所広司さんの演じる平山さんという人が、良すぎて、もう何でもいいよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~の気持ちです。すみません。それは正直そう。

平山さん、かわいすぎる。役所広司さんの演じる寡黙で真面目な男のキュートさが全て出ている。本当にまさか2023年にこんな役所さんを見せていただけるなんて思っていなくて、大喜びしてしまいました。大喜びしたので、今日は最前列で見た。

これは詳細なネタバレになってしまいそうなので伏せて話すが、とにかく役所さんの表情一つで「全てをやる」という意思があまりにも強く、最高だった。

知っている場所が沢山出てきて、聖地巡礼みたいなことも全然できてしまう。浅草の地下街にも行きたくなってしまった。悔しい。そういう気持ちにさせられている時点で作品の構造に負けている気がするが、でも、これは役所さんのファンだからというだけなので、仕方ないです。そういうことにしておきます。

 

f:id:otituku:20240103220345j:image

 

映画館を出たら役所さんと監督のサイン入りポスターが飾られていた。この館で試写会が行われたらしい。東京にはそういうものが普通にあって毎回驚く。役所さんのサインを始めてみたが、シンプルで美しいサインだった。

自分は基本的に作家や脚本家を追うことが多く、役者を人間として追いかけるということが少ない。その作品の中の登場人物を好きになることはあっても、その役者自身に気持ちが向くことがあまりないのかもしれない。

役所さんは映画の役者だなという気持ちが強い。できるだけ長く映画館でその姿を見ていたい。昔の映画もたくさん名画座でやってほしい。映画館の銀幕はこの人の表情に恋をしていると思っている。

 

本当に意味不明な年始だった。近くのコーヒースタンドが臨時で開店して募金をしていたので、寄付してきた。それくらいしか慰めがない。

 

 

 

2023.12.17「立ち上がった勢いで見たい作品全部見る」

見よう見ようと思っていた映画をいい加減見る日にした。

 

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見た。インターネット上に感想とファンアートが爆速で流れて来るので、何????と思っていたら、いつのまにか大体の内容が脳内に入ってきてしまっていた。事前に見るつもりのなかった映画のネタバレを防ぐことってできない。

これぜったい「嫌」だろうなと思いながら観に行き、予想通りに「嫌」だった。面白かったです。村の描写が最悪すぎてかなり気分が悪くなったが、後半になるともう最悪が極まりすぎて、どんどん殺されていくのが気持ち良かった。ちょっとRRRと同じ感覚になった。

しかしまあ~~~結局~~~~~~「男二人のバディもの」としての構造に対する感情と思考が始まってしまいました。知っていました。こうなることは。

いや、それだけではないかもしれない。バディものに対する思考の流れもあるが、それと同時に、あのラストに対する感情というものもある。二次創作の雰囲気と感想からしてラストが「あれ」であることは、もうほぼ想像がついていたのだが、分かっていてもやられるものはやられる。何故人は暴風の中でも川を見に行ってしまうのか。

作品を深く追っている人はそこから過去の水木作品を観て読解を深めたりしているようだが、それをする勇気はない。昔だったら、したのかな……。あまり考えないようにしている。だってラストが「あれ」ならもう、ここから先、出来ることってない。

映画を見たらしっかり二次創作物を見られるな♪と思っていたが、いざ鑑賞後になると全然見られない。だって全部嘘だから……。自分は知らない作品の二次創作しか読めないみたいなところがある。

ところで二次創作でよく見かけるキャラクターが一切登場しなかった気がするんですけど、あれなんだったんだ。怖いな。未来ってことか。と思ったが、全部おそ松さんで見たことがある景色だったので大体わかりました。

 

『窓際のトットちゃん』を見た。本当に良かった………………。今年見た映画の中で一番好きかもしれない。そんなに見てないけど。

もともと原作は小学生のころに読んだことがあって、その時点でかなり好きだった。自分の小学校が本当に「終わり」だったので、トモエ学園の描写ひとつひとつが夢のように見えたし、校長の小林先生のことが大好きだった。

大人になってから読むとまた変わるのかもしれないけど、映画自体も子供の視点から描かれているものが多くて、それが原作を読んだ当時の自分の体感とも重なって、素晴らしかった。「海のもの」と「山のもの」の話、出てきた時原作の記憶が全部蘇って凄かった。このあたり、若おかみは小学生!や怪盗クイーンのアニメ化と同じ感覚になった。青い鳥文庫に感謝して生きて行こう。

小林先生の声を役所さんにしてくださり、本当にありがとうございます…………………。これは本当に個人的な話ですが、自分が原作を読んだタイミングと役所広司が好きすぎたタイミングが完全に一致しているので(稀すぎる)、自分の中でなんとなくずっと小林先生の声は役所さんだと思っていた気がする。それがそのまま、やっぱり、そうですよね。嬉しいです。演技も凄かった。嬉しい……

 

 

2本順番に見たおかげで、ゲ謎の苦しみが良い感じに薄らいでいる。自分がゲ謎で苦しむことはほぼ確定しており、そのためもう逆に見に行かないでおこうかと思っていたくらいなので、これを狙っていたところはある。

映画を見に行くのにやたら体力が必要になってしまった。というか、今回の2本ともに戦争の描写があって、見るのに気力が必要だったというのもある。ゲ謎はもう…戦争というか…人間全てが無理という気持ちになりましたが……

立ち上がったタイミングで家事全部やるのと同じ感じで、映画を見たタイミングで他の映画も連続で見る、という風にしないと、なかなか行動を起こせない。別にいやいや見ているわけではなくて、見たいんだけど、見るまでに時間がかかる。

 

 

f:id:otituku:20231217191155j:image

 

新宿の紀伊国屋でプラネットガールとダブルを買った!!!

 

f:id:otituku:20231217191217j:image

 

バーナード嬢のカバーを貰えた。嬉しい。

 

 

そういえばバーナード嬢の続きを読めていない。コロナ中に色々読んでいた作品、コロナが明けてから自分の好きなものがそれぞれ活動を再開したこともあって、だんだん触れる余裕がなくなってきてしまった。

そもそもコロナがなければ自分から触れることのなかった作品が沢山あるなと思う。アイドルマスターだってライブの配信がなければここまではまっていなかった。

MOIW2023で隣の席だったフォロワーに「SideMの5thがなかったことが悲しい」と話したら、「でももしコロナがなくてライブが開催されていたら、過去のライブ配信もされなかったわけで、そしたら落ち着くさんはアイドルマスターに出会えていなかったのかもしれないんですね」と言われて、ああ確かに、本当にそうだと思った。当然の話ではあるんだけど、その言葉が強く心に残っている。

それにしても読めていない漫画がちょっと多すぎる。女の園の星が読めていない(怖くて)。青野君に触りたいから死にたいも読めていない(怖くて)。宝石の国も読めていない(怖くて)。チェンソーマンも読めていない(怖くて)。

どうすればいいんですか?

 

 

 

2023.11.8「近況・無軌道は楽しい」

アイドルマスターのライブが続いており、生活がアイドルマスターのライブを中心に回っている。

 

SideMの8thライブで好きなアイドルのソロとユニット曲を次々と眼前で目撃してしまったことに当てられて、正直この2週間アイドルマスターSideMの好きなアイドルのことしか考えられていない。私が仕事をしていたり生活をしているのは、全てまやかしであると思っていただいてよい。

 

 

アイドルに対する感情の行き場をなくし、アイドルの絵を描きまくっている。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm42927163

この動画のために「ハーモニクスアイドルマスターの楽曲)をカバーしたAltessimo(アイドルマスターのユニット)のCDジャケットSSRが見たい」という気持ちで、かなり時間をかけて絵を描いた。

たぶん1か月くらいかけていた気がする。だってこんなに綺麗に線とか描いたことないし。色塗りも全く分からないので、いろんなサイトを見たり、ミリシタのSSRカードを観察して、こうなっているのか~と思いながら色を塗っていた。

目をめちゃくちゃキラキラさせたかった(だってSSRカードは目がキラキラしてなきゃいけないから)ので、色々なサイトで目をキラキラさせる方法を調べた。かなり見様見真似だが、かなりキラキラになって良かった。

でもたぶんこういう絵はもう描けないなと思う。そもそもカードっぽい絵柄って自分の本来の好みというわけではなく、ソシャゲを失ったアイドルマスターSideMの好きなアイドルのSSRが存在しないことの怒り半分で描いたので……。その労力を思うと、こういう絵を描き続けている人は本当に凄すぎる。

 

最近はクリスタで描き心地が好きなペンを見つけられて、水彩塗りの設定を変えたら色を塗るのが楽しくなったので、なんだかずっと描いている。別にちゃんとした練習をしているわけではないので上手くなっているわけではないと思うが、描いていて自分の描きたい絵柄になると嬉しい。

絵を描いているときの記憶がほとんどないので、アイドルマスターアカウントのヘッダーとアイコンを見るたびにびっくりしている。この絵ってなんで存在するんですか?と思っている。

 

そもそもクリスタとペンタブを買ったのも、たしかアイドルマスターのアイドルの絵を描きたいと思ったからだな…と思い出した。今まで人間か偏った絵柄のキャラクターにしかはまってこなかったため、自分で描いてみたいと思うことが少なかったのだと思う。

 

 

ライブで出す楽屋花を頼むために、パネルの装飾を描き、印刷所に入稿したりした。

↑いや、この2週間くらい前にも名刺のために絵を入稿しているんですよ。アイドルマスターにはまるとこんなに入稿することになるんですか?

そもそも楽屋花というシステムを知ったのはこの前のSideMのライブで、そこで山のようにフラスタと楽屋花が贈られているのを見て、なんだかあてられてしまった。

ただ何より、次のライブは「アイドル自身(3D映像で)出演するライブ」なので、アイドル本人に花を贈れる機会はこれを逃すともう来ないかもしれない。そもそもそんな(演者の人間が存在しない)ライブに楽屋花を許可するのも、すごいよ。懐が。感動している。

アイドルに対する「祈り」を昇華しなければという気持ちで、楽屋花が出せるという情報が出た当日に楽屋花を注文した。スピードを出し過ぎているが、時間がないのでぜんぜんギリギリです。

でも花に関する知識は全然ないし、自分でデザインもできない。というよりは、「自分でデザインした花」よりも「自分の気持ちをプロに形にしてほしい」という気持ちが強かったので、だいたいの色味とイメージ以外はお任せすることにした。イメージカクテルとか推し香水とかと同じ気持ちで頼んでいる気がする。

しかし宛名パネルは自作する必要がある。もちろんテンプレートのものを無料でつけてもらうこともできるが、さすがにそこは自分で作らなければ、自分が出す意味がないと思った。

ここにキャラクターイラストを入れることもできたが、今回の楽屋花の思想に反すると思い、イラストは入れず、アイドルの名前を書いたパネルのみ制作することにした(思想については別の場所で書きたい)。

パネルのデザインをクリスタで2日くらいかけて描いた。正直これがいいとかはわからない。でも自分が入れたいアイドルの要素を入れたらこれしかなかった。

イラストを印刷して自分でラミネートするのが一番楽だが、せっかくだから「入稿」するか……と思い、入稿した。落ち着いてほしい。

じっさいパネルとして印刷物を受け取ると、思ったよりも厚みがあってしっかりしている。で、でかくないか? こんなもん? 楽屋花のよくあるサイズに合わせて作ったので、でかすぎることはないと思うが……。

これに関してはまだ楽屋花の完成形を見ていないので、何もわからない。パネルを花屋さんに送ったので、あとは作っていただくだけ。最後に幕張イベントホールにちゃんと届かなかったら、そこで終わりです。祈るしかない。

 

 

こんなに自分が知らないものを作り続けること、ある???????????

落ち着いて考えるとこれってかなり凄いかも。アイドルマスターにはまってから人力を作り始め絵を描き始め「入稿」してる? 「入稿」が自分に縁のある世界になるとは。イラレPhotoshopも無料体験を食いつぶしてしまったので、次に必要な時は買うしかありません。

 

自分はそもそもクラシック音楽をずっとやっていた人間で、その影響かかなり「順を追った学び」を守ろうとする癖がある。まず基礎を学んで、練習曲を積み重ねてから、ようやく弾きたい曲が演奏できるという構造を、かなりしっかりと守ることが求められる世界なので。

でも……何からやり始めてもいいかもな……と思えるようになってきた。絵に関しては本当はデッサンをやりたいとか人体構造を学ぶ必要があると思っているが、それより先に好きなアイドルが描きたいという気持ちが来てしまう。いや、全然それでいいのかも。趣味なんだから。

デザインとかも何も知りませんし、知ってる人からしたらは????というようなことばかりしている気がするが、やるしかないもんな。名刺はライブに間に合わせる必要があるし、楽屋花のパネルの入稿は3日でする必要があったし。

そこから学んでいることもある。アイドルに着てほしい衣装とか、贈りたい花束とか、今まで気にしたことのなかったものの視覚的な情報に敏感になってきた。

動画制作とかも本当に、こんな何も知らない状態で??!!!と思っているけど、作りながら知っていくことが多い。動画なんて作ると想像したこともなかったけど、最近はMVなんかを見ると演出の効果の仕組みなどが気になるようになってきた。

まあ、全部アイドルマスターのアイドルのためでしかないんですけどね。そこから応用できるほどの知識欲が沸くかはわからないが、今とても楽しいのでいいやと思っている。無軌道にいろいろなものに手を出せるようになって良かったなと思う。

 

2023.10.13「終わりスイッチが怖い」

f:id:otituku:20231013223302j:image

ぽこピーのアニメイトはすごかった。嬉しい

 

 

少し前までコロナでぶっ倒れていた。コロナになると喉が痛すぎてものが食べられなくなる、とかそういう話をよく聞いていたが、喉はまったく痛くならず、普通に吐き気がひどくて食べ物が一切食べられない数日が続いた。こういうパターンもあるんだ。

一切食べられない一週間を超えて、逆に今食べないと!!!!という気持ちが高まったせいで生活がめちゃくちゃになっている。ゼロ値に戻りたい。

 

楽器の練習をすべき時期が迫っているため、カラオケにいってヴァイオリンを弾いた。ヴァイオリンを弾く合間でアイドルマスターの歌を歌っている。これ一番いい娯楽かもしれない。これを週に一回やるべきだろう。Resonate Blessingの前奏のヴァイオリンを自分で弾いてから自分で歌い始めてやろうか?

 

アイドルマスターのライブが毎週ある時期が迫っている。いや、行かないですよ! SideMしか……いや配信は見るかも……だってSHHisのライブは見たいし最上静香さんやジュリアさんのライブは見たいし……

SideMのライブのフラスタ企画に気軽に参加したらネームプレートの結構目立つ位置に「落ち着く」と刻まれてしまい本当に申し訳ない気持ちになっている。だってこんなふざけた名前をアイドルマスターのアイドルの皆さんや演者の皆さんに見せてはいけないだろ。自制を促す名前を他人に晒すべきではない。

SideMのライブに行くことになっていて、その日が近づいているが、本当に私っていまSideMのライブに行って大丈夫なのか? 突然発狂したり大暴れするかもしれない。自分が信じられない。

 

何もない時期に気軽に安請け合いしたり立てた予定がどんどん詰まっていてめちゃくちゃになる予感がしている。職場の人たちとやる音楽会でピアノとヴァイオリンを弾いてSideMのオーケストラ企画でもピアノとヴァイオリンを弾くことになっているんですが、高校生の頃のバリバリ練習していた時期の感覚のままでキャパを見誤っている。ピアノ室を借りて練習しなければならない。

でも自分の音楽的な好みとアイドルマスターというのは完全に別物として扱おうとしていたので、ここにきてそれを一緒くたにして大丈夫か?!!と思っている。

常に自分が突然終わりスイッチを押すのではないかという不安を抱えている。何も信頼できない。自分の社会性のことを...

 

最近の帰り道↓

・狐のように耳の立った白い犬と並び歩けて良かった。

ラヴェルの夢見たシノワズリそのもののような嘘みたいな中国風の菓子屋がある。行ったみたいけど本当に何なのかよくわからない。よくわからない店が無限にある街。

・あ〜なんか良い匂いがするな〜この匂い好きなんだよな〜なんだっけこの甘い匂い、と考えて少し経ってから、金木犀だ.................と気がついて、匂いのした空気のあたりを振り返って数秒立ち尽くした。

 

 

冬が好きすぎる上冬のことをアイデンティティのひとつとして考えている節があるが(誕生日が大寒だから)、もはや季節について何を言っても角が立つ気がしてきて、何も言っていない。実は季節に言及することがかなり苦手になってしまった。こんな人間がファンコミュニティに参与できるわけがない。インターネットをやめよう。

 

 

2023.9.2「バランスが悪い」

f:id:otituku:20230902205140j:image

この一ヶ月ちょっとどうかしているというくらいに根を詰めて人力とMMDを作っていたので、反動で一日歩き回って映画と展示を見倒すことにした。

 

本当に集中の仕方がかなりおかしくて、これどう考えても自分のためでしかなく、需要もなく、誰も見ないのに、なぜ? と常に思っていた。でもそういうものだから集中できたんだろうな。他人のために二次創作なんてやってられるかよという話。みんなが見る二次創作だったら誰かがやるが、自分が見たい二次創作を誰も作ってくれないからやっていた。

ただ毎日パソコンを見続けていたせいなのか眠りが激浅で悪夢ばっかり見ています。どうすればいいですか? あらゆる悪夢のオンパレードですごい。今朝はダチョウ倶楽部大泉洋が歩いている商店街で大怪我する夢だった。

 

 

 

バービーの映画を見た。ずっと見るか迷っていたが見て良かった。

こういうことを考えている人たちが大きな映画を作ってくれて嬉しいなと思う。男性が女性に対して優位に立つあるあるにゴッドファーザーとルーリードが出てきてかなり笑った。ルーリードのことは好きだけどルーリードのことが好きなことを振りかざしてくる人間は好きじゃないよな、当然。

男性社会の現実に対して女性が中心のフィクション世界を作るというやつ、どっちの世界でどっちが虐げられていてもカスなので最悪!ということをちゃんとやってくれて良かった。

女性しか出てこないフィクションで男性が出てきたら虐げられたりそれを好きな女性ファンが虐げられたりするのはまた別の文脈だとは思うんですが、マジでカスなので全部終わった方がいい。現実に対してはもう全部終わった方がいいになっちゃったよ〜。

それを乗り越えた先の感動ポルノのことも普通に無理になってきた。アイドルマスターの大河は好きだけどどこまでいってもこのしょうもない争いを続けているくらいなら全部終わらせてくれた方がマシだな。まあ終わっても新しく同じようなものが出てくるだけだけど。アイドルマスターに関するしょうもないもの全てが消えて、アイドルだけが残って欲しい。これって人間すべてが滅びて人間の作った美しいものだけが残ってほしいという気持ちと全く同じ。

 

東京都写真美術館に行って本橋成一とロベルト・ドアノー展を見た。

ドアノーの写真はBunkamuraの展示で見た時から好きだったので気になっていた。どちらの作品も良かった。

ドアノーのチェリストを写したシリーズや踊っている人々の写真は、以前は好きだったが今見るとちょっとやりすぎだと思える。なんでもない表情をしている人たちの写真の方が好きかもしれない。あとカフェドゥマゴの写真を見るたびに自分が行った時のことを思い出して嬉しい。

 

シアターイメージフォーラムキエフ裁判を見た。なんで見たんだ。絶対きついのに。でも最近どこの名画座でもセルゲイ・ロズニツァの作品をやっていて、いい加減見るかという気持ちになった。

映像の大半は裁判シーンだが証言を聞くだけでもかなり堪えるし、最後の処刑の場面はちょっと直視できなかった。これがキエフ裁判で、さっき見た本橋成一の作品シリーズにチェルノブイリの村の人々がいたことも思い出し、より落ち込んだ。

シアターイメージフォーラムのことはとても好きなのでまた他の作品を見にいきたい。

 

耐えられん...という気持ちで青山ブックセンターに来たら、100人の夏の選書が開催されていて良かった。青山ブックセンターに来るたびに

しばらく徘徊して結局買わずに帰ってしまう。ここは今でも須賀敦子のフェアを残してくれているから嬉しい。買ってはいない。なぜなら積読が多すぎるため。

ここの漫画コーナーを見るたびにカルチャー...という気持ちになっている。西村ツチカのアニメ化ってもうすぐやるんだったっけ。

 

積読になっていた「紙の動物園」を持ってきていたので、表題作と「もののあはれ」と「月へ」を読んだ。とても良かった。これがSFのシリーズとして出ているのってとても良いと思います。

 

夜に好きな作曲家が音楽を作っている映画を見るためにミニシアターにきた。これが本当にミニシアターで、しかもここでしか上映されないらしい。好きな作曲家の音楽が映画館で流れることはあまりにも少ないから見に行くしかない。こういう執念があらゆる場所で積み重なって、自分の行動原理を形成している。逆にこういう衝動が絡んでいないことの方が貴重。

 

映画の舞台挨拶があって、本当に自主制作に近い形で映画を作っている人たちの感情が伝わってきて良かった。何かを作っている人たちの感情のみが、今はこの世の光のように感じる。明日コミティア行きたいな。めちゃくちゃ疲れてるから無理かもしれないが...。

 

1日で全部やりすぎて体力が終わった アホ 8時の映画に行って23時に夜の映画を見終わるってどういうこと。