怪盗クイーンの映画を見に行った。
そもそも上映されていることを知らず、気が付いたら早朝か深夜にしか映画館にかかっていなかった。朝8時に映画見たの初めてだな。
はやみねかおるを読んでいたのは小学生の頃で、たぶん中学に入ったあたりから読まなくなった。
夢水清志郎シリーズの完結「卒業」をリアルタイムで買ったことは覚えているので、たぶんちょうどその時が中学に入ったくらいか? それ以降はほとんど読んでいない気がする。
夢水清志郎シリーズはわりと読み返していた気がするけど、怪盗クイーンは図書室で借りて読む程度だった気がするので、あんまり覚えていなかった。
ところが映画を見たら「全部」蘇ってきてすごかった。キャラクターの名前から台詞の言い回しまで全て、知っている........。前世の記憶か?
怪盗クイーンはもう少し男性寄りのイメージだったけど、これはこれでかなりぴったりの声だった。
多分映画としては構成が分かりづらいというか、シーンの繋ぎ目や説明が不足している部分もあるんだけど、「知っている」ので脳の記憶が全てを繋げていった。ファンムービーとしては一番正解かもしれない。読者の記憶と結びつくことで完成する映画という感じ。
あと多分本編には出ていなかったであろう別作品のキャラクターなども出てきて、愛がすごかった。はやみねかおる作品をずっと追っている人間が見たら号泣する。
映画の帰りに本屋に寄って児童書コーナーを見ていた。おそらく同じように映画を見たであろう少し年上の女性が怪盗クイーンの最新作2冊を手に取り買っていった。買いたくなるよね〜。
自分が読んでいた青い鳥文庫の人気はシリーズはどれも息が長い。若おかみは小学生!は完結したものの、同じ作者が温泉アイドルは小学生!というシリーズを始めていた。マジ?
黒魔女さんが通る!!は作画の方が亡くなってしまって、それでシリーズは止まっていると思っていたが、なんと若おかみの絵の方が引き継いでいた。絵柄もかなり藤田香さんに寄せていて凄かった。歴史...................
はやみねかおるも全然新作を出し続けている。夢水清志郎は岩田三姉妹ではない小学生を主人公として新シリーズを続けているし、怪盗クイーンは2022年に新作が出ているし、都会のトム&ソーヤも全然続いているっぽい。凄すぎる。
青い鳥文庫には「面白い話が読みたい! 白虎編・青龍編」というものがあって..............
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000182823
さすがに本屋にはなかった。いや置いてくれよ。これ怪盗クイーンの0話が載ってるんですよ。全員読みたいだろうが.............。
他にも黒魔女さん・若おかみのコラボ回が載った本もあるし、たしか夢水清志郎の最初の事件を書いた本もあった。0話を出しすぎだ。
はやみねかおるは夢水清志郎と怪盗クイーンのコラボ編を出しているし、なんならサーガに出てくるキャラクター総出演の新作を書いているらしいし、作者の裏ページと呼ばれる謎のサイトからしか読めない小説はあるし、やりたい放題だ。
自分は小学生の頃で止めてしまったのでそれほど強い記憶があるわけではないが、この人の作品を通った記憶というのはかなり影響力があったと思う。
「はやみねかおるの裏ページ」から読める小説、夢水清志郎の事件ではあるんだけど、青い鳥文庫には載らないような生々しい殺人の描写があったり、際どい表現があったりした記憶がある。
あれは多分、「裏ページで読んでいる背徳感」と「少し背伸びして大人の小説を読む背徳感」を小学生に提供していたんだと思う。すごい。
思えばそういったサイトを自ら見に行った記憶はこれ以外ほとんどないし、実に健全な小学生だった。あのサイトの小説を私はA4でコピーしてファイリングして読んでいました。
みんながどのようにして「はやみねかおるの裏ページ」にたどり着いていたのか、その思い出を全部教えてほしい。
このブログが今の小学生が裏ページにたどり着くための検索妨害になっていたら消しますね....(これは今のインターネットにもそのような楽しみが残っていてほしいという祈りでもある)。