2022.2.11「不可逆の音楽たち」

雪積もらなかったな。

2020年以前から好きだった作品を見聞きするとその不可逆さに気が狂いそうになる。何が手元に残っていて何が失われたのかもわからない。
この一年(っていうかこの日記をつけ始めてからの一年近く)、それまで好きでわりと恒常的に追っていた人や作品に一切触れられなくなり、全く見聞きできなくなっていたため、時間が止まっている対象がたくさんある。三谷幸喜アイドルマスターだけがこの「境界」を乗り越えられている。
その一年近く触れていなかった人や作品を少しずつ見返し始めて、ようやく凍結が解かれ始めているものの、何もコールドスリープしていたわけではなく、私と同じ時間をを超えて今ここに立っているので、何一つ元には戻っていない。当たり前だけど私が見ていなかっただけで、実は全員同じ不可逆性の中にいる。

この2年、ばらの花を聴くたびに「安心じゃない僕らは旅に出られないし思いきり笑ったり泣いたりもできない」と思ってしまう。

くるりの曲はいつでもその時代の空気を切り取っているなあと思う。ずっと聴いているわけじゃないんだけど、時々振り返って聴くと確実に聞こえ方が変わっていたりよく聴いていた時の感覚を鮮明に思い出す。

受験期にずっっっとくるりを聴き続けていたことがあって、なんというかその時は「ゾーン」に入っていた気がする。くるりの歌詞に感じられるある程度の安心感の中で、ただ勉強に打ち込むことを自分に許していたのかもしれない。今聴くとまた全然違う趣になる。

それにしてもとにかくこのアルバムが一番好きだな。全曲好きです。