2021.2.11「すばらしき世界は、」

アイドルマスター以外の溜まっていた分の人生を書く。アイドルマスターに人生を奪われすぎていて怖い。

「すばらしき世界」を観た。好きな作曲家と好きな演奏者と好きな役者が参加している作品だったので、そっちに持っていかれがちではあったものの、すごい作品だった。しばらく引きずると思う。
パンフレットで西川美和監督が役所広司の主演作をきっかけとして監督になったと書いていて、かなり嬉しかった。役所広司がすごいことってこの世の全員が知っているんですけど、改めてこういうものを読むと嬉しい。役所広司のファンなので。
だいたいずっと泣いていた。ただある場面を境に確実に物語のレールが切り替わる瞬間があって、その先で自分がどういう表情をしていたのか思い出せない。手の甲をずっとつねっていた気がする。

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この世にはシュガーカットの巨大な看板がある街もある。

映画を観た後に街を歩いていると、なんだかぼーっとしてしまった。映画の中の人々からこの世に取り残されてしまったような気分だった。

 

最近人の極端に真面目な部分に敏感になってしまって疲れることが多い。特に今の自分の周りにはとても真面目な人が多いので、自分のいい加減さが申し訳なくなる。
みんな速足ですごく姿勢が良く、一瞬で寝て一瞬で起きる。どういうことなんだ。キビキビしすぎていて心配になってくる。

自分よりも年上の人がどこまでも純粋な真面目さを保っているのを見ると、本当に尊敬する。
人間って年を取るにつれて、「ここは手を抜いても何とかなるか」という気付きが増えて、だんだんといい加減になるものじゃないだろうか。
私はそうだった。小学校の頃は教えられたことをきっちり守っていたけど、全部をきっちりやらなくても死にはしない。時々崩壊が起きて「やっぱりこれは必要だったのか」というのを繰り返しているので、あまり賢いとはいえないが。

ただ自分が今いる環境がかなり偏っていることは確実なので、飲まれないようにしたい。このままじゃ肩肘張りすぎて発狂して終りスイッチを押してしまうかもしれない。みんなもっと体から力を抜いて欲しい。


とは言ったものの、これって結局自分が「極端な環境」を好んで選んでいることにも責任がある。ちょっと前までは周りの人間全員いい加減すぎて完全に崩壊していたので。
もうちょっとバランスの取れた環境に身を置くべきなんだろうけど、極端な環境の方が面白いに決まってるから…。環境を選ぶときの第一条件に「面白い人が多そう」が入っているので、そこは仕方がない。

「すばらしき世界」の主人公も、とにかく変な生真面目さを保っている人だった。真面目過ぎる故に不器用で、でもそんなところが人を惹きつける。

「真面目で不器用な人間臭さ」の話? またその話になってしまった。私は役所広司の演じる真面目で不器用な人間が好きすぎるという話。以上。