2020.4.4「3本併映」

映画をめちゃくちゃ見た。
パーマネント・バケーション」と、「トーク・トゥー・ハー」と、「CURE」を見た。謎のラインナップだ。

パーマネント・バケーション」はジム・ジャームッシュ監督作品で、少し前にたまたまテレビで見て気になっていた監督だった。何も起こらないが会話が面白い監督という印象だった。
作品自体は短いが、何も起こらないと言えば何も起こらない。でも最後になんとなく印象が残るという感じの作品。
こういう作品をめちゃくちゃ好きと言えたらかっこいいだろうな、みたいなどうでもいいことを考えてしまう。タルコフスキーの「ノスタルジア」を早稲田松竹で観た時もそんな感じだったな。主演の人がきれいだった。
「drift(漂流)」という単語が何度も出てきて、印象に残った。
同じ監督の「コーヒー・アンド・シガレッツ」は会話ばかりの短編集で絶対に好きなので、これもいずれ見たい。

トーク・トゥー・ハー」は音楽が美しかった。この映画のサントラ、新品がかなり高額になっていたのも納得できる。ピナ・バウシュやペンデレツキといった名前が出てきたのに驚いた。
洋画はタイポグラフィが美しい作品が多いな。「パルプ・フィクション」のオープニングのタイポグラフィが好きで、この作品の字幕の現れ方も好きだった。日本語字幕があるとどうしてもその邪魔になってしまうのが残念。

黒沢清の「CURE」、役所広司はいいな。役所広司が良いって話をする相手、頼むから今世で出会いたい。本当にいないんです。助けてください。
アリ・アスターが好きという話を聞いた気がするけど、確かにわかる。言語化しようのない気持ち悪さや不快感が漂っている感じ。オープニングでかなり興奮した。

一番わかりやすく物語があったのは「トーク・トゥー・ハー」なのに、他の2作品ほど記憶がない。見ている間夢中になれるのはわかりやすく物語のある作品だけど、記憶に残るかというのはまた別の話なのかもしれない。
映画を見るという行為も読書と同様で、最初はやる気が起きないが、見始めると連続して見てしまう。
だからって一日で3本も見ることないのでは? なぜこんな極端な生き方しかできないんだろう。もっとバランス良く生きたい。一日のうちで、本を読み、音楽を聴き、楽器を弾いて、映画を見る、というような生き方ができた試しがない。短期間においても長期間においても、一点集中型になってしまう。
でもまあ、積ん見(見ようと思っていて見られていなかった)映画が幾らか消化できたので良かった。

 

夜に左右(バンド)のライブ配信を見た。バンドのライブ配信だと思っていたら短歌のライブ配信だった。面白かった。

 

実家から荷物が送られてきた。
荷物を入れるために使われていた袋に、御茶ノ水のジャニスのビニール袋があった。
閉店する直前、たまたま東京旅行中だったので立ち寄った。なかなか見かけないCDが山ほど売っていて、興奮気味に数枚購入した。その時のレシートも袋の中から出てきた。
実家に持ち帰った今はもうないレコード屋の痕跡が、今東京にいる自分の手に再びやって来た。不思議な気分だった。

 

役所広司の話をしてくれる人は連絡ください。私は早く「うなぎ」が見たい。