2020.9.1「感想etc」

アイドルマスターのことしか脳にない状態が怖くなってきたので、アイドルマスター関連以外に最近観た作品の感想を書きます。まあ今も耳にはアイドルマスターの曲が垂れ流され続けているんですけどね…。

・はちどり
ずっと気になっていた映画。とても良かったけど、何が良かったとうまく表現するのが難しい。名画だった。
徹底的に少女ウニの視点から世界が描かれていて、「ミツバチのささやき」を思い出した。他にこういう映画ってあまりない気がする。
少年少女を主人公とした作品は日本のアニメにも多々あるけど、それとは本質的に違うように感じた。日本のアニメでは作り手が子供の視点に立っていることが多いように思うし、だからこそ身勝手な展開になることがあって、それはいわゆるセカイ系を指すのかもしれない。これは「のび太の新恐竜」が非常にヤバかったという話になるので割愛しますが。
「はちどり」は子供の視点から世界を描いているけど、最後に母親の視点に帰る場面があって、この映画を作っているのはやっぱり大人なのだと感じる。それが安心感でもある。是枝監督の作品にも感じるかもしれない。
観終わってチヂミが食べたくなったのであちこち探したけど全然売ってなかったので、自分で作ったらただのお好み焼きになった。

・少女歌劇レヴュースタアライト ロンド・ロンド・ロンド
元のアニメ作品は全く知らずに観た。総集編的な作りだったので、知らなくても楽しめた。
ウテナまどかマギカの流れを汲む作品で、構造も似ていた。そのカタルシスを感じる作りの上に「舞台の一回性」を描いているので、琴線に触れる作品だった。
ただキャラクターの描き方が「推し」を生み出すような構造になっているのが、大丈夫か…という気持ちにもなった。少なくともイクニ作品ではキャラクターを単体で推すような行為は作品側から推奨されているとは感じたことがない。全てのキャラクターは最後のカタルシスの瞬間のために生み出された舞台装置の一つですらある。こういう構造の作品でキャラクターを人間として愛することが可能なのかは不安になる。
続編もあるようなので、今後どの方向性に傾いていくのか、それとも全てを両立して走り抜けるのか、気になる。

・星の子
久しぶりに小説を読んだ。思ったより短くてするすると読めた。
主人公の担任がとにかく嫌で、小説を読んだ時特有の「嫌さ」を感じた。映画や漫画といった視覚的な作品にはない、文字だけで醸し出される居心地の悪さのようなものがあると思う。
最近は好きな作家の小説しか読んでいなかったから、全く知らない作家の小説に身を投じるのは久しぶりだった。作家を辿って色々な作品を読むのもいいけど、たまにはこうしてなんの情報も入れずに読み始めるのも良い。

漫画だと「青野くんに触りたいから死にたい」と「チェンソーマン」を読んでいるが、まだ完結していない漫画の感想って書くのが難しい。面白いということしか言えない。青野くんは6巻で泣きました。チェンソーマンは5巻くらいまで読んでもう逃げたくなっています。