2020.4.29「またそういう姿勢で…」

犬ヶ島」を見た。同じ監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」が好きだったので、ずっと気になったまま見ていなかった。出町座で観ればよかったな。
タイポグラフィと音楽が好きだった。この監督はずっと見ていて気持ちがいい映像が続く。日本語がかっこいいフォントでかっこよく登場するのが良かった。
日本の描き方とかについてこの映画に云々言うのは何ともつまらないな、と思うので言わない。高校演劇が歌舞伎と能と和太鼓全部、みたいになってたのは笑っちゃったけど。
この監督はなんとなく「継承」の話が多いなと思う。誰かから誰かへと意志や仕事が受け継がれていく様子。そちらが大事にされているので、思っているよりどんどん人が死ぬ印象がある。どこに重心があるかという問題なのかもしれない。

夜、眠れなくて「銀河の死なない子どもたちへ」を読んだ。一気に読んでぼろぼろに泣いた。すごかった。完成度がすごい。
内容に触れないようにすると、自分のよく知る本や漫画や美術、詩がところどころに現れたのがすごく良かった。この世界が滅んでも、私の好きなあの歌は残ってくれていたこのが嬉しかった。

もうこうなったらこれしかないな! と思い、イキウメの「天の敵」を観た。
回想の演出が面白い。音楽も良いな。すごく詳細を詰めた物語だけど、人間を見せる作品だなと感じた。こういったテーマの作品において、語りすぎる必要はないのかもしれない。

こうなれば仕方がない。「ポーの一族」を読むしかない。
各作品を知っている人がいればわかると思うけど(犬ヶ島は違うが)、完全に一つのテーマに沿って物語を摂取している。あらゆる作家がこういったテーマに向き合ってきたのだなということがわかる。
「うるうの音」発売まであと一か月。それまで生きていたい。それだけが未来の希望だ。