2020.5.6「12人の優しい日本人」

三谷幸喜の戯曲「12人の優しい日本人」を東京サンシャインボーイズの劇団員らが読む配信を観た。
こういった配信が行われるようになってから、一番集中して見ていた。ほとんど演劇を生で観ている感覚に近かった。zoomを使って出来ることの一番すごいものを見た。

https://youtu.be/3e2aKThmhXM
https://youtu.be/ZDagy7MmFhY

東京サンシャインボーイズ三谷幸喜らによる劇団で、現在は30年間の充電期間中にある。2024年には30年の充電期間を終えて復活公演「リア玉」を打つ予定になっている。
充電期間中であるこの2020年に東京サンシャインボーイズのメンバーによって「12人の優しい日本人」を観ることができると思っていなかった。2024年に復活したとして、チケットが取れるとも思えない。彼らが生で作品を演じる時間を共有できたことは奇跡だった。
他の映像作品や演劇で活躍している役者の方々も大勢いる。それでもこの作品を演じている時は、確かに「東京サンシャインボーイズ」の劇団員だったと感じた。2009年の復活公演「returns」で劇団に加入した吉田羊さんも、他の劇団から参加されていた方々も、この劇団の一員だと感じた。

劇団やバンドがその活動を止めるということは、「凍結」に近い行為なのかもしれない。解散ではない場合、それはコールドスリープのようなものなのではないかと思う。
続けるという行為には変化が伴う。人間は変化し、人間関係も変化する。
時間は止まらない。人は年を取り、かつての友人に再会した時、私たちは互いに歳を取る。それでも同窓会などで「昔と変わらない」会話ができるのは、その人間関係だけは凍結されているからなのかもしれない。
続けることで得られるものと、止めることで得られるもののことばかり考えている。